専門バカの鰻の寝床
私が多くの人といろいろな話をして感じることは、
その話の間口の広さと奥行きの深さだ。
基本的にだれもが話の奥行きを重んじている。
それは、できるだけ内容の濃い話をしようとすることだ。
すると間口がそれに比例して狭くなるんだ。
間口が狭くて奥行きが深ければ、聴いているこっちは息苦しくなるんだ。
それは、鰻の寝床とまったく同じだ。
話の奥行きなど放っておいても自然と深くなる。
肝心なのは間口の広さだ。それは話し手にしか、決して広くすることはできない。
例えば、話の間口が30cmだとしたら、
あと5cmほど広くしてもらいたい。
それは、右に5cm広げる場合もあれば、
左に5cmのときもある。左右に2.5cmずつ均等のときもある。
2cmと3cmのときもある。
とにかく意識的に話の間口を広くした方が、聴いているこっちは心地がいいんだ。
味があって内容の濃いものを提供しようとすればするほど、
その間口が狭くなって奥行きばかりが井戸のように深くなるんだ。
それを世間では、専門バカと呼んでいるんだ。
それを黙って聴いているこっちは辛くなるばかりだ。
相手の心の扉を開くのは、その話の間口の広さだ。
相手の心の中にクサビを打ち込むのは、その奥行きの深さなんだ。
だから、まずは扉を開けないことには始まらないんだ。



